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自動車業界トピックス

国交省、降雪時にスタックした大型トラックなどを迅速に移動する「緊急脱出用具」を募集

国土交通省は、スタックした中型・大型トラックを道路管理者が迅速に移動させるための「緊急脱出用具」を民間企業や大学などから募集する。近年、大雪などで道路上のスタック車両が除雪作業の支障となり、通行再開や滞留車両の救出に数日間を要するケースが多発しているためだ。募集期間は28日まで。一定の条件を満たした緊急脱出用具を選定した上で、調達可能なものは今冬から各地方整備局などで道路管理の現場に試行導入する。

近年、滞留車両の救出などに数日間を要するケースが多発

緊急脱出用具に関する必須条件項目は3点。中型・大型トラックに適用できるものとする。機能はジャッキアップが不要で、短時間でタイヤへの装着と脱出効果が期待されるものとする。緊急脱出用具としてすでに使用されていること、または既存用具の組み合わせや改良で容易に実現可能、開発中で約2年以内に実用化が可能な用具とする。

国交省道路局などが提出された申請書類を基に要求性能などを確認しながら緊急脱出用具を選定する。結果通知は11月下旬を予定している。

申請段階で応募者による検証が未検証の緊急脱出用具については、12月中旬から来年1月頃にかけて北陸地方整備局管内でフィールド試験を行う。坂路部に深さ別の溝(5~15㌢㍍)を用意し、溝にトラックの駆動輪を落とし込んだ状態から応募用具による装着時間と脱出可否を測定する。

応募用具の検証は、①募集内容・応募用具の条件などの満足度②導入に当たっての課題とその対応策③今後の開発・改良に当たっての発展性―の視点に基づいて行う。検証結果は来年3月頃に各応募者に通知する。国交省は応募者と協議した上で、検証結果を取りまとめ公表する予定だ。

緊急脱出用具の募集は12日から開始した。募集要領や応募資料作成要領などは北陸地方整備局北陸技術事務所のホームページから入手できる。

国交省道路局が設置した冬期道路交通確保対策検討委員会が昨年3月に改訂した「大雪時の道路交通確保対策中間とりまとめ」によると、冬用タイヤを装着しているがチェーンを装着していない大型車の立ち往生などの発生が、大規模な車両滞留の原因となる場合が多いと言及している。また、道路管理者は大雪時には降雪状況や地域特性に応じて、ドライバーに対して冬用タイヤとチェーンの装着を徹底すべきとの提言も行った。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)10月14日号より