日本自動車工業会(自工会、豊田章男会長)の永塚誠一副会長は17日、政府・与党が検討している「走行距離課税」について「国民的議論もないままに導入することには断固、反対する」と語った。永塚副会長は「特に地方在住者や物流事業者など移動距離が多い方々の税負担が増え、電動車の普及にブレーキをかける。移動のたびに課税される税制は到底、理解を得られない」とし、「局所的な『決め打ち』や『先行増税』ではなく、ユーザーが納得する国民的議論を行うべきだ」と強調した。
17日のオンライン定例会見で語った。豊田会長は、税制改正について「各省庁間の綱引き合戦に終わらず、自動車関係で集めた税金をどう活用するかの議論をお願いしたい」と語った。日本経済団体連合会(経団連)として2日に政府側と懇談したことも引き合いに「今後、日本の競争力を強化するために、日本全体の税制のあり方を見直すという点で、私どもから抜本的な見直しの第一歩が始まったと思っている」とも強調した。
自工会は同日の理事会で23年度の活動方針を決めた。重点テーマは①競争力強化、税制②カーボンニュートラルを含めたGX(グリーントランスフォーメーション)③DX(デジタルトランスフォーメーション)とMaaS(サービスとしてのモビリティ)④ファンづくり―を掲げた。
(2022/11/18 修正)
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)11月18日号より