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自動車業界トピックス

〈税制2023〉自民党自動車議連、「モビリティを軸に成長する未来社会を考える会」発足

官民連携して産業政策を立案

自民党の自動車議員連盟(額賀福志郎会長)は21日、中長期視点に立った自動車産業の成長戦略や政策の方向性などを議論する「モビリティを軸に成長する未来社会を考える会」を新設したことを明らかにした。日本経済団体連合会(経団連)のモビリティ委員会や政府とも連携しながら産業政策を立案し、政府・与党に提案していく。

 21日に自民党本部で開いた議連の総会・政策懇談会で明らかにした。額賀会長が最高顧問に就き、会長には自動車議連で通産委員長を務める甘利明氏が就いた。

政策の立案に際しては、①物価高や長納期化に直面する消費者と関連産業を守り抜く②国内自動車市場の活性化と保有車全体でのカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)を両立し、各国に負けないGX(グリーン・トランスフォーメーション)/DX(デジタル・トランスフォーメーション)投資で「モビリティを軸にした成長」を加速するための政策体系を早期に検討③モビリティがもたらす「未来社会」の具体化を進め、成長の果実を社会に還元・活用することを前提に、自動車の枠にとらわれない受益と負担のあり方や政策展開を腰を据えて骨太に議論する―の3原則を掲げた。

岸田文雄首相も、2日に首相官邸で開かれたモビリティに関する懇談会で「脱炭素など社会課題解決と成長を両立させるためにも、強靭(きょうじん)で先進的な自動車産業が、グローバルな事業展開の中核としてわが国に存在していくことが重要だ」と、官民でモビリティ産業の成長に挑む考えを示していた。

額賀会長は「中長期視点の税制のあり方、日本の自動車産業の育成、そして世界で勝ち残っていくためにどうしていくのか。われわれ自動車議連を中心に議論し、政府に展開していかなくてならない」と語った。

政策懇談会では、自動車関係15団体の幹部らが出席し、自動車関係諸税の簡素化・負担軽減に向けた抜本的見直しなどを要望した。また、日本自動車会議所(内山田竹志会長)から、2023年度税制改正に関する「自動車業界の緊急要望」を提出。半導体不足などによる新車の長納期化と消費者の負担増を回避するため、来年度に期限を迎えるエコカー減税とグリーン化特例などは、現行水準で据え置くことなどを求めた。燃料税収の減収などを見据えた「走行距離課税」や出力課税など、車体課税への穴埋め増税には反対する姿勢を鮮明にした。

内山田会長は「モビリティ産業として、社会課題の解決や新たな付加価値を創造していくことが日本の成長にもつながる」と訴えた。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)11月22日号より