【岡山】ネッツトヨタ岡山(石井清裕社長)は、勝央町の岡山県立勝間田高校にベンチエンジン1基を寄贈し、出前授業を行った。同社が出前授業を実施するのは初めてで、18人の生徒が参加した。今後、岡山商科大付属高校とおかやま山陽高校でも実施する計画だ。
寄贈は、慢性的な自動車整備士不足対策のため、若年層に少しでも自動車整備に関心を持ってもらうことを狙いとしており、初めて出前授業を実施した。
出前授業の冒頭に出席した田中始男常務は「今回寄贈したベンチエンジンを勉強のために積極的に活用してください。最新の機器を体験して楽しく授業を受けてほしい」とあいさつした。その後、田中常務から宮前亮教諭に寄贈品の目録が手渡された。
出前授業は、2時限をかけて行った。1時限目は、会社説明から始まり、自動車整備士が活用する最新ツールの紹介。故障診断に使う車として「GR86」と「スープラ」を学校に持ち込み、学生らに披露した。故障部位を特定するスキャンツールの使い方をスライドと実車を使い説明した。2時限目は、学生を2班に分け、車の異音を特定するための「異音検知器」を使い、寄贈したベンチエンジンで実演した。
車の内部構造などをVRで見ることができるゴーグルの「ホロレンズ2」を生徒たちは交代で装着して体験した。休憩時間中も、学生らは持ち込まれた車の座席に乗り込んだり、ボンネットの中をのぞき込むなど、日頃目にできない車の内部をじっくりと見学した。
今回の出前授業で得られた反応などを基に内容を精査し、岡山商科大付属高校とおかやま山陽高校でも近く実施する。引き続き県内の工業高校などを中心に、この活動を継続していく計画だ。自動車整備士の減少に歯止めをかけるため、少しでも自動車整備に興味と関心を持ってもらえればと期待を寄せる。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)12月5日号より