自民党税制調査会(宮沢洋一会長)が8日開いた会議で、財政当局は「エコカー減税」を現行基準のまま一定期間、据え置いた後、燃費基準を段階的に引き上げる案を示した。一方で走行距離課税を税制改正大綱に例示する意向も示した。出席した議員からは「大綱に記載されれば国民に対して『増税ありき』の間違ったメッセージになる」などの声が挙がった。最終結論は持ち越された。
財政当局は、エコカー減税について、現行基準で「一定期間の延長」を提示した。経済産業省は1年間の延長を主張し、議員からも「納期が1年を超える車もある。数カ月では解決にならない」との声が出たが、結論は出なかった。
延長後の基準に関し、財政当局は「2035年新車販売電動車100%」との整合性を取るために、段階的に基準を引き上げていく案を示した。ハイブリッド車やガソリン車に対する優遇措置の縮小を想定したものだ。
走行距離課税をめぐっては、自動車を含む産業界や経産省がこぞって反対にまわっている。会議でも「技術の方向性が定まる前に税の議論をするのは時期尚早だ」など、否定的な声が多かった。
会議終了後、報道陣の取材に応じた宮沢会長は、基準の切り上げや走行距離課税に反対する意見が多いことを認めつつも「35年に向けて、それなりの基準を目指してやっていくことも大切だ。地方の大事な税収であることも配慮しなければいけない」と語った。
車体課税の最終結論は来週に持ち越される見通し。税制改正大綱は今月15日頃の取りまとめが予定されている。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)12月9日号より