政府は、次世代半導体の研究開発(R&D)拠点「技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)」を設立した。国内外の研究機関などとも連携し、高度自動運転車などでの搭載が見込まれる2㌨㍍(ナノは10億分の1)級ロジック半導体の量産技術確立を目指す。先月、トヨタ自動車などが参画して立ち上げた「Rapidus(ラピダス)」とともに、次世代半導体の国産化に向けた戦略拠点となる。
経済産業省がLSTCの設立を19日付で認可した。海外の研究機関や国内の大学などと連携し、2㌨級の次世代半導体の研究開発を進める。
2㌨級の次世代半導体では、台湾積体電路製造(TSMC)やサムスンが2025年以降に量産に入るなど台湾や韓国勢が先行する。日本で現在、生産しているロジック半導体は40㌨級にとどまる。
次世代半導体の国産化を急ぐため、11月にはトヨタやデンソー、ソフトバンクなど8社が出資し、ラピダスを新設した。米国IBMなどとも連携し、今年度中に2㌨世代の製造要素技術を確立、20年代後半の量産を目指す。R&D拠点であるLSTCとともに、国内における量産基盤の構築を目指す。
現在、車載向けで使われている半導体は旧世代品が多いが、高い演算能力を持つ2㌨級の次世代半導体は、膨大なデータ処理が求められる自動運転車などでも活用が見込まれている。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)12月22日号より