市川さんは2015年に入社し、現在は同社の中でも入庫台数の多い仁井田店で検査員として業務に携わり、繁忙期は月間で150台ほどの車両を担当している。
秋田ダイハツは、安全と健康を重視した働きやすい職場づくりを進めており、同店でもサービス工場への冷房の導入を予定する。また、社員の成長を後押しする環境も整える。市川さんは先輩メカニックやサービストレーナーの協力で、21年に難関資格のダイハツサービス検定1級を取得した。試験の2カ月前から準備を進め「内容はかなり難しく、当面は資格取得を控えたいと思うほど苦労した」と苦笑いで挑戦を振り返る。
市川さんは、教える立場としても力を発揮している。車検業務は、後輩エンジニアとともに行うことが多く、コミュニケーションを大事にして作業環境や相手の人となりに合わせた指示と指導を心掛けている。そのうえで「古いモデルは作業に時間がかかるケースが多い。その際は焦らず、正確に作業してもらうことが大切」と説明。担当者としてユーザーへ説明して理解を求め、車両の理解や技能習得につながるよう工夫を凝らす。
今後の目標は、22年度の全社表彰で好成績の獲得を挙げる。同店のサービス部門は前年、全拠点トップの成績を収めており「サービス部門の連覇と、店舗全体でも首位となるよう職務にまい進してきた。将来は、サービスフロント職にも挑戦したい」と意気込む。
23年度には、インターンシップで指導した女性メカニックが入社する。サービスの現場を担う人材として、育成や働きやすさ改善といった日常業務以外での活躍にも期待が寄せられている。