政府は31日、ロシア向けに実施している輸出禁止措置の対象品目に車両総重量20トン以上の大型トラックなど418品目を追加したと発表した。同日に閣議決定し、4月7日の施行を予定している。
「外国為替及び外国貿易法(外為法)」を改正し、ロシアへの輸出禁止品目を追加した。大型トラックのほか、ブルドーザーなどの建設機械、鉄鋼製品などが新たに加わった。 昨年の日本からロシアへの輸出金額は約6千億円で、今回輸出禁止措置を取った品目分はこのうちの2割弱を占める。
ウクライナへの軍事侵攻を受け、日本の完成車メーカーは現在、ロシア向けの新車輸出を停止している。一方、中古車市場ではロシア向け輸出が依然として活況で、日本中古車輸出業協同組合(JUMVEA、佐藤博理事長)の調べによると、2022年のロシア向け中古車輸出台数(車両価格20万円以上)は前年比31.6%増の21万3522台と、08年以来14年ぶりの20万台超えを記録した。供給が途絶えた新車の受け皿として、中古車の需要が大きく伸長していると思われる。
ただ、中古車輸出のうち大型トラックの割合はごく一部で、中古車輸出に詳しいNPO法人自動車流通市場研究所の中尾聡理事長は「日本の事業者への影響はほぼ無い」と話す。
※日刊自動車新聞2023年(令和5年)4月3日号より