髙野さんは、小さなころからプラモデル作りを趣味とし、ロボットや船舶などの組み立てと塗装に没頭してきた。中学生になるとエアブラシを購入し、より本格的な着色を行うようになった。ものづくりが好きなことや、家族が他メーカーのディーラーで働いており、趣味を仕事につなげたいという考えから自動車整備の道に進むことを決めた。学校では、2級整備士資格取得後に、車体整備の勉強を1年間行い、幅広い作業に対応できる素地を磨いた。
現在は、車検・点検を中心に行いながら、車両の不具合を収集してメーカーに報告する「市場技術速報」にも力を入れている。この業務は、2021年から担当しており、初年は約50件、22年度は60件近くを報告しているという。業販店などから故障に関する多様な相談を寄せられることも多く、経験を基に知見を積み重ねている。新車が拠点に到着した際は外観をくまなくチェックし、生産する際のトラブルなどがないかを確認。不具合があった場合は詳細をまとめ、車両の品質向上に貢献している。ユーザーの安心にもつながる業務で、23年度は70件を目指す。そのうえで髙野さんは「報告件数はメーカーの表彰対象となるため、ランキング上位に入れるよう努力を続ける。表彰を受けて店舗の仲間と喜びを分かち合いたい」と意気込む。
23年度にはダイハツサービス検定2級の取得を予定しており、月1回の社内研修を利用しながら準備を進めている。「将来は、鈑金塗装の業務も行いたい」といい、幅広い分野で活躍できるエンジニアを目指して研鑽を続ける。