千葉スバル(三浦剛社長)は、メカニックの技術向上と多様な働き方の実現を目的とした「千葉スバルテクノアカデミア」(岡本武司センター長)を開設した。高難度車の整備に特化した重整備工場であるとともに、家庭の都合などで週末の休みを希望するメカニックが勤務できる工場としても注目される。
移転した旧成田店の店舗を活用して昨年4月に稼働した。現在は県内の全拠点から月60台の高難度車を集めている。整備に時間がかかる高工数車両を一元化したことで各拠点の負担が軽減。これまで受け入れ切れなかった一般入庫を増やす余地が広がった。
開設と同時に働き方の選択肢を増やす改革にも取り組んだ。同社は原則として毎週火曜と水曜が休み。テクノアカデミアは土曜と日曜が休みだ。小さなお子さんの面倒を見るために、週末に休みを取りたいメカニックへ配慮した。いまは社内公募で働く4人のメカニックのうち2人がこの制度を利用して仕事と子育てを両立している。
働き方の多様性はメカニックのスキルアップにもつながっている。テクノアカデミアには技術課が併設されており、故障診断や高難度整備に対する論理的な思考を身につけることができる。難易度の高い整備技術を会得するために自ら異動を希望してきたメカニックの活躍や、持ち込まれた車両についての意見交換を拠点のフロントと重ねるうちに、お互いのコミュニケーション力と対応力が磨かれていく効果が表れている。
テクノアカデミアでの勤務は原則1年間。元の拠点へ復帰した後は、学んだ知識と経験を現場に生かしてもらう。できるだけ多くのメカニックにテクノアカデミアを活用してもらい、自身のキャリア形成に役立ててもらいたいと考えている。