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自動車業界トピックス

政府、「専門活用型インターンシップ」実施要件案 前倒しで「内々定」可能に

開示要件定めて透明性確保

政府は10日、就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議を開き、2週間以上の実施期間を設けた「専門活用型インターンシップ」に関する定義や実施要件案などを示した。参加学生の採用選考をインターンシップ後に実施すれば、6月の採用選考活動開始時期を待たずに「内々定」を出すことができるようにする。専門性の高い知識・技能を持った新卒学生らに関する採用日程の弾力化を図る。2026年3月卒業・修了以降の学生を対象とする方針だ。

専門性の高い知識・技能を持った新卒学生らの採用日程を弾力化する

日本経済団体連合会(経団連)と大学関係団体などの代表者で構成する「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」は、22年4月にインターンシップの新たな定義や、企業・大学が最低限順守すべきと考える基準などを公表した。この中で、学生のキャリア形成支援活動として4つの類型を定義し、専門性を重視したプログラムを2週間以上実施することを専門活用型インターンシップと定めた。

今回の見直し案では、現行の就職・採用活動日程ルールを原則とする。その上で、卒業・修了年度に入る直前の春休み以降に専門活用型インターンシップを実施して参加学生の採用選考を行った場合に限り、現行ルールの採用選考活動開始時期より早い段階で内々定を出せるようにする。

学生に求める専門性は企業の判断に委ねる。実施時期は、学業との両立のため「学部3年・4年または修士1年・2年の夏休み、冬休み、春休みなど長期休暇期間」とする。

企業には、2週間以上の実施期間のうち「半分を超える日数を職場での就業体験に充てること」が求められる。職場の社員が学生を指導し、インターンシップ終了後には学生に対し適性評価などをフィードバックしなくてはならない。取得した学生情報は採用活動に使える。

専門活用型インターンシップを実施する企業に対しては、就業体験の内容や必要な能力などの開示要件を定めた。採用活動の透明性を確保し、学生が参加しやすい環境を整える。

近年、企業が内定を出した学生に就職活動を終えるように迫る行為「就活終われハラスメント(オワハラ)」が増加傾向にあることから、学生が相談できる窓口を設けることも実施企業に求める。大学のキャリアセンターなどの窓口での相談や企業に対する申し入れも可能とする。

政府としては、企業と大学などに質の高いインターンシップを活用した就職・採用環境の充実化と整備を図ることを促し、学生の学業専念やキャリア形成支援につなげる考えだ。周知や準備期間が必要と判断して、今回は前倒しで公表した。正式には24年3月末頃に要請する。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)4月11日号より