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自動車業界トピックス

自動車整備関係学科の高校生、整備士志望の3年生は3割にとどまる

新たな課題が浮き彫りに 国交省調査

自動車整備士の魅力をいかにPRするか

国土交通省が自動車整備関係学科に通う高校生を対象に行った「自動車整備に関する高校生の意識調査」によると、進級するにつれて自動車整備士を志望する割合が減る傾向にあることがわかった。3年生の約7割が「自動車整備士になりたいとは思っていない」と回答した。学生が進路を決める時期までに整備士の魅力をいかに伝えるか。新たな課題が浮き彫りになった。

「現在、自動車整備士になりたい、と考えていますか」の問いに対する回答では「はい」が51%、「いいえ」が49%とほぼ拮抗した。学年別で「いいえ」の回答数をみると、1年生が39%、2年生が54%、3年生が69%と学年が上がるにつれて増えた。

進学希望の学生は約4割いたが、このうち約半数は過去に就職希望だった。希望が変わった理由については、約3割が「進学して『自動車整備』以外の分野を学びたいから」(26%)または「希望する就職先がなかったから」(6%)だった。また、進学希望者のうちの約3割が「自動車整備以外の学校への進学を考えている」と答えた。

自動車整備科の高校に入学したにも関わらず、自動車整備士に興味や関心が薄い理由は何か。背景のひとつが高校進学の理由から伺える。学生の約4割が入学時に「将来、自動車整備業で働きたいとは考えていない」と回答。このうちの約9割が自動車整備士を志望しておらず、自動車整備以外の自動車関連会社への就職を考えたり「親が薦めた」との理由で入学した。

学生が卒業後の進路を決めるにあたって参考にするのは「親・兄弟・親戚などの親類の意見」が最多だった。次いで「企業や学校が発信する情報」が続く。学生の多くが自動車整備のインターンシップ(就業体験)や就職説明会に参加するが、自動車整備以外の説明会にも参加した学生が一定数いることもわかった。

自動車整備の仕事を最初に認識したのは、多くの学生が小・中学校在学時。きっかけは「家業」の割合が24%と最も多く、次いで「近所の自動車整備工場を訪問(車検やイベント)」「テレビドラマや映画、漫画」「親類以外の親しい人の紹介」と続く。

自動車整備に関係する学科に入学した学生の多くは、中学2~3年生で進路を決めた。中学生までに職場体験に参加したことがある学生は約半数を数えた。自動車整備の職場体験を経験して好印象を持った学生が多く、その後の入学につながったと推察される。進学に関して影響を受けたものとしては、家業であることや、親類以外の親しい人の紹介の割合が高い。最初に認識したきっかけと比べると、テレビドラマやユーチューブなど動画コンテンツから影響を受けた割合は低い。

全国自動車教育研究会(全自研)の協力を得て、全国の自動車整備科などで学ぶ高校生、約5400人に調査し、約35%にあたる1900件の有効回答を得た。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)4月19日号より