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自動車業界トピックス

国交省、子どもの見落とし事故防止へ国際基準を導入

乗用車などはカメラモニターやソナー 大型車は視界確保を義務づけ

 国土交通省は、運転席からの死角となる車両の直前及び側面における子ども見落としの事故を防ぐため、国際基準を導入する。乗用車などにはカメラモニターやソナーなどの装備を、大型トラックなどには運転席から直接視認できる視界を一定以上確保するよう設計することを義務づける。一部を除き8日から施行する。

乗用車と車両総重量(GVW)3.5㌧以下の車両には、カメラモニターなどの「視認装置」またはソナーなどの「検知装置」を義務づける。個別装置またはそれぞれの組み合わせで、車両の直前と側面にいる子どもなどの歩行者を確認できることを求める。ただ、当分の間は、既存の国内基準適合装置で代替できる。

GVW3.5㌧以上の大型バスやトラックには、運転席からドライバーが直接視認できる車両周辺の視界の量(体積)を一定以上、確保できるように運転席を設計することを義務づける。

乗用車などにはカメラモニターやソナーなどの装備を義務づけ、死角をなくす

車両の直前や左右における視界を定量的に数値化した要件は今回が初めて。設計段階で想定される車両の走行道路を3つのカテゴリーに区分して規制値を設けた。歩行者が多い市街地などを主に走行することを想定した車両は、「視界体積」の規制値が厳しい。一方で、高速道路や郊外などでの走行を想定した車両の規制値は緩やかにした。新型車は2026年1月1日から、継続生産車は29年1月1日から適用する。

国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)で、「直前直左右確認装置に関する協定規則」と「大型車の直接視界に関する協定規則」が合意されたため、日本も保安基準を合わせた。直前直左右確認装置に関する協定規則は、日本の国内基準をベースとし、会議議長などを日本が務めて規則の策定を主導した。

このほか、装置型式指定規則も一部改正し、型式指定の対象となる「特定装置」の種類に、直前直左右確認装置と大型車の運転席などを追加するなどした。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)6月7日号より