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自動車業界トピックス

国交省のリコールに対するユーザー意識調査、メーカーの届け出「評価できる」が9割

OTA対応にも好印象

 

安全を重視する企業姿勢をユーザーは評価している

国土交通省は、自動車のリコールに対するユーザー意識調査の結果をまとめた。積極的にリコールを届け出る自動車メーカーを「評価できる」と答えたユーザーは全体の約9割にのぼった。販売店への入庫など手間がかかるものの、安全性を最優先にする企業姿勢を前向きに評価するユーザーの多さがうかがえる。

 この調査は、自動車局審査・リコール課が2~3月にインターネット経由で実施した。近年、リコール届出件数・台数が増加傾向にあることなどから、自動車ユーザーからリコールに対するイメージを聞き取り、行政指導などに生かすのが狙いだ。

自動車メーカーが設計・製造に起因する不具合を認識した際「積極的にリコール届出を行うべきか」との質問には、「多発性や安全性を問わず、メーカー責任として積極的にリコール届出を行うべき」との回答が54%と半数を超えた。届出の要否判断に一定の理解を示しつつも「リコール届出を行ってほしい」との回答も含めると、全体の約8割を占めた。

積極的にリコール届出を行う自動車メーカーに対する印象では「不具合を積極的に直してくれる姿勢は評価できる」が67%に上った。「不具合の発生に疑問を感じるが、事故などを未然に防止するという点で一定の評価をする」を含めると、全体の9割近くになる。

「コストをかけてでも不具合が出ないように設計・開発、品質管理を徹底すべきと思うか」との問いには「想定外の不具合が出てしまうことはやむを得ないがそう思う」が51%で、「強くそう思う」が33%と続いた。また、自身が乗っている車両のメーカーの不具合対応などを踏まえ、「今後も同じメーカーの車両を乗り続けたいか」との問いには「強くそう感じる」「そう感じる」を合わせて53%と半数を占めた。

近年、コネクテッド技術の進展などでオーバー・ジ・エアー(OTA、無線更新技術)に対応した車両が増えつつある。通信によるリコール対応についてのイメージを聞いたところ「不信感・不安感はなく良い措置」との回答が43%だった。現時点では対象車両が少ないため「分からない」も31%を占めたが、通信によるアップデート対応に利便性を感じる自動車ユーザーが少なくないことがわかった。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)6月10日号より