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自動車業界トピックス

「特定技能2号」自動車整備業の追加が正式決定 整備士不足解決の一手に期待

官民で受け入れ態勢の充実を

永住が可能な外国人労働者向けの在留資格「特定技能2号」の対象に自動車整備業が加わることが正式決定した。最長5年の在留が可能な「特定技能1号」資格取得者の帰国時期が迫るなか、2号移行の選択肢ができたことは、整備士不足を解決する一手としても期待されるところだ。今後は、待遇や管理・評価制度、キャリアパスの構築など、外国人材に対する受け入れ体制の充実を、官民で取り組んでいく必要がある。

官民で受け入れ体制の充実を図る必要もある

政府は先週末「外国人材の受け入れ・共生に関する関係閣僚会議」で、特定技能2号の対象分野を2分野(建設業と造船・舶用工業)から自動車整備業を含む11分野に拡大することを閣議決定した。

岸田文雄首相は、技能実習制度と特定技能制度について「わが国が魅力ある働き先として選ばれる国となるよう、外国人の人権に配慮しつつ、国内の受け入れ側や本国の送出(おくりだし)機関などに関して指摘されている諸課題を解決し、国際的にも理解が得られるものとすることが重要」と語った。

政府は、現行の技能実習制度を実態に即して発展的に解消し、人材確保と人材育成を目的とした新たな制度に作り直す。また、特定技能制度の適正化を図ることも改めて確認した。政府の有識者会議では、今秋にも両制度の見直しについて最終報告書をとりまとめる予定だ。

特定技能制度の創設とともに、自動車整備業が特定技能1号の対象分野となったのは2019年4月のことだ。資格取得には技能評価試験と日本語試験に合格する必要がある。出入国在留管理庁によると、自動車整備分野の特定技能在留外国人数は1738人(22年12月末)。このうち、ベトナム人が827人と半数近くを占める。

国は、19年度から5年間で自動車整備業の特定技能在留外国人の受け入れ人数を最大6500人と見込んでいた。ただ、コロナ禍もあり、現状は3分の1程度にとどまっている。また、愛知県や埼玉県など大都市圏に在留する特定技能外国人が多いことから、大都市圏への集中防止策などを求める声が地方から挙がっている。ただ、賃金問題が大きく関連してくるため、行政による支援制度のみでは解決は難しい。こうした課題を官民で解決することも求められる。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)6月13日号より