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自動車業界トピックス

ビッグモーター、全部門での調査が必要と判断

第三者による調査を検討

ビッグモーター(東京都港区)は25日に開いた会見で、自社の整備工場を対象に、「特定整備」に関する不正事案の有無を確認するための調査を実施する考えを明らかにした。保険金不正請求の温床となった板金・塗装(BP)部門だけでなく、不正事案が疑われている全ての部門で調査が必要と判断した。調査の開始時期や対象期間などの詳細は今後詰めるが、第三者による調査を検討しているという。

同社では今年に入り、地方運輸局の監査などを通じて、道路運送車両法に違反する不正車検が確認され、3店舗が行政処分を受けた。熊本浜線店(熊本市中央区)が3月に、宇都宮南店(栃木県宇都宮市)が6月に、指定整備事業の「指定取消」や「自動車検査員の解任命令」などを受けた。スピードメーターの誤差の検査を実施せずに保安基準適合証を交付するなどの不正行為を行っていた。

2月には、唐津店(佐賀県唐津市)で点検整備の一部を実施していなかったことなどから「保安基準適合証等の交付停止」の行政処分を15日間受けた。これら3店舗で不正行為に至った理由について、同社は「現場での判断」(兼重宏行社長)として組織的関与は否定している。

25日の記者会見でも、兼重社長をはじめ出席した幹部全員が経営層による社員への指示などの関与について「まったくない」と口をそろえた。

同社は、26日午後に国土交通省の任意聴取に応じる。BP部門本部長などを務め、同日付で副社長に就任する石橋光国氏らが出席する予定だ。国交省は、同社が設けた外部弁護士による特別調査委員会の調査報告書をもとに事実関係の確認などを行う。聴取した内容も踏まえながら精査し、道路運送車両法に違反する事実が確認された場合、同法に基づいて同社本社などへの立入検査を行う。その後、立入検査の結果をもとに行政処分の内容を判断する。

斉藤鉄夫国交相は21日の閣議後会見で「関係省庁とも連携して適切に対応していきたい」と語った。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)7月26日号より