日産東京販売の下島雅也さんは、百草園駅前店でテクニカルスタッフ(TS)のリーダーを務める。もともとは「好きな二輪車の仕事に就きたい」と専門学校へ通ったが、燃費を競う大会に出場して車両製作に携わったことで四輪車への興味を強く持つようになり、当時の日産プリンス西東京へ就職した。
入社後は八王子東浅川店で自動車の整備を担当した。その後、28歳の時に「クルマへの関わり方を広げよう」と自ら営業研修を志願。営業での2年間は「すごく大変だった」と振り返るが、この経験を通じて顧客目線での対応をより意識するようになったという。TSに帰任した際は、店舗でTSが直接お客さま対応をする方針ではなかったものの、クルマ好きのお客さまを中心に接客する機会が増え、徐々にやりがいを感じるようになっていった。今は日産東京販売として、お客さまの出迎えから作業の結果報告までTSが直接対応する方針となり、当時の経験が対応力に生かされている。
また、以前は「仕事を早く正確に仕上げること」が第一と考えていたが、あるとき手に負えなかった不具合を先輩のTSが故障診断し、すぐに解決したのを見て、より高度な知識を持つことの大切さを感じ、資格の取得に対し「自分の中でスイッチが入った」という。34歳頃から勉強し、日産TS2級、1級、HITEQマスターを取得(今年10月に認定)。「知識は武器になる」と後輩にも話し、早い時期からの資格取得を勧めている。
「自動車は最新の技術を多く取り入れており、それらを調べて知識を得ることは楽しい」と、仕事の魅力について話す。そして「お客さまと直接コミュニケーションをとる対応力は、これからの自動車整備士には必要」だとし、そうした観点で後輩の育成にも尽力していく考えだ。