張家輝さんは、2008年に留学生として中国から日本に渡り、整備士を目指して日本語学校へ通った。もともと日本の文化に興味があり、最初は地方都市の学校に通っていたが、半年後にあこがれの東京へ移住。そして、日本語学校および日本語ビジネス専門学校でトータル3年半学び、その後、自動車整備専門学校で2年間学んだあと、国産車ディーラーへ就職した。
そこで約2年間仕事をしたが、同じ作業の繰り返しが多く、自身の技術向上に「限界を感じた」ことから転職を考えた。改めて企業を調べたところ、自動車の起源の一つとされているドイツのメルセデス・ベンツを扱っている「シュテルン世田谷」の存在を知った。「ここなら新しい技術にもどんどんチャレンジして成長できる」と聞いて入社を決めた。
入社して今年で8年目になるが、検査員の資格を取得したほか、いろいろな重整備にも携わってきた。「勉強になるし、先輩も優しく丁寧に教えてもらえた」とこれまでを振り返り、スキルの向上を実感。今は後輩に教える立場で、サブフォアマンに次ぐ位置にまでつけた。
そうした成長の裏には、「どんなことでも積極的に取り組んできた」と日々の努力があった。「知識は一つひとつの積み重ねで、面倒くさいことこそ勉強になる。避けていればいつまでたってもできない」と言い聞かせ、そうした思いがあってこそ「今の自分がある」と捉えている。
当初、外国人メカニックの数は少なかったが、今では数多くの後輩が入社しており、「自分が今まで(言葉などで)苦労してきた経験から、分かりやすく教えている」とするなど良き先輩として、現場を支えている。メルセデス・ベンツの国際資格である「故障診断士」の取得を目標に、日々努力を続けている。