メンバー5人狙うは最優秀 切磋琢磨でレベル向上につながれば
11月に東京ビックサイトで開催される「ホンダ四輪サービス技術コンクール全国大会」に、ホンダカーズ横浜から5人の選手が出場する。目指すのは、サービスエンジニア(SE)コース、フロントアドバイザー(FA)コースともに、最優秀賞の獲得。その上で出場選手全員が入賞すること。同社が掲げる目標を達成すべく、5人の挑戦が始まった。
同社の出場選手は、予選となる同南関東ブロック大会SEコースで優秀賞を受賞した藤田剛さん、芳賀拓人さん、岩田武さん、半澤央さんと、FAコースで優秀賞を受賞した山口純さん。5人は同社サービス部門の研修施設であるテクニカルセンター(横浜市港南区)で、全国大会へ向けたトレーニングを開始した。メンバーをけん引するのは、テクニカルセンターでチーフを務める藤田さんだ。
テクニカルセンターは、エンジニアの育成も担う教育機関でもあり、藤田さんは故障診断を中心とする研修で講師を務めている。また、店舗で手に負えない高難度整備や難診断への対応、全社同一作業対応時には作業上の注意点を全社に展開するなど、業務領域は幅広い。
社内での信頼が厚い藤田さんだが、ホンダカーズ横浜で現職に就くまでの道のりは、平坦ではなかった。自動車整備とは異なる分野の短期大学に進学したが、好きなことを仕事にしたいと一念発起し、自動車整備の道へと転じた。「エレメント」を扱う当時のホンダベルノ横浜(現ホンダカーズ横浜)への入社を希望したが叶わず、他銘柄の自動車ディーラーでエンジニアとしてのスキルを高めた。また、海外留学にも興味を持ち、1年間豪州で語学を学びながら自動車整備の仕事も経験したという。帰国した藤田さんは、ホンダカーズ横浜への就職にリベンジし、ようやく手に入れた職場だ。現在に至るまでの豊富な経験は、人材育成に携わる藤田さんの力になっている。
仕事では常に〝丁寧さ〟を意識しているという。「整備の際はお客さまのクルマに触れるため、ドアの開け閉め一つでも所作を丁寧に行うことは基本」と言い切る。また、エンジニア研修でも皆が理解できるようわかりやすい説明を心掛けている。
サービス部門の根幹を担う部署に配属され活躍する藤田さんだが、技術コンクールの全国大会出場は初めてとなる。切符を手にした瞬間は「嬉しさよりも安堵感が大きかった」と打ち明ける。「学科競技に向けた知識の習得も、時間内に正確に作業を完了する実技競技の練習も、日頃の業務で求められるもの。出場メンバーとは切磋琢磨しお互いのレベルアップにつなげ、感動を分かち合いたい」と抱負を語る。
高い技術力を誇る同社の競技には、全国の注目が集まる。藤田さんをはじめとする出場メンバー5人の活躍が、技術コンクール出場を目指す次代を育んでいく。