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自動車業界トピックス

電子車検証の書き換え可能な「記録等事務代行者」、登録者数が順調に増加

DX対応急ピッチ

業務の効率化やコスト削減につながる

自動車検査(継続検査)時に電子車検証の内容を国に代わって書き換えられる「記録等事務代行者」の登録者数が、制度開始の1月から8月までで5千者を超えたことが分かった。書き換え業務が本格的に始まるのは来年1月以降だが、指定整備事業者の登録者数は毎月3桁規模で増えている。電子車検証の導入を機に行政手続きのオンライン化が進む中、自動車業界もDX(デジタルトランスフォーメーション)対応が急務となりつつある。

国土交通省は、道路運送車両法を改正し、電子車検証の交付を今年1月から始めた。これに合わせ、従来は運輸支局などが行っている車検証の書き換えなどを、一定の要件を備えた整備事業者や行政書士などに委託する「記録等事務委託制度」を導入した。

同制度に基づく記録等事務代行者になれば、従来の紙の車検証が電子車検証に切り替わって以降の継続検査時に、運輸支局などに出向くことなく、事業所で電子車検証の書き換えなどができる。整備事業者にとっては業務の効率化やコスト削減につながる。

記録等事務代行者の委託状況について、国交省が日刊自動車新聞の取材に対して初めて月別の委託状況を公表した。8月末時点の委託対象者の内訳は、指定整備事業者が4907者と全体の9割を占める。OSS(自動車関係手続きのワンストップサービス)申請代理人となる日本自動車販売店協会連合会(自販連)と日本自動車整備振興会連合会(日整連)は114者、行政書士または行政書士法人は421者だ。

 登録者数は月別で変動はあるが、おおむね3桁規模で推移している。記録等事務代行者となるのは事業者の判断に委ねられているため、全国に約3万ある指定工場すべてが申請する可能性は小さい。ただ、国交省の鶴田浩久物流・自動車局長は「順調に増えている」と語った。鶴田局長はまた、全国の整備振興会で記録等事務委託制度に関する説明会を開いていることや、2024年1月から軽自動車の電子車検証が導入されることなどから「登録者数は今後も増えることが予想される」とも述べた。

記録等事務代行者の総数は、制度開始前に登録した指定工場などを含め9月15日現在で5651者となる。

記録等事務代行業務は、国交省が提供する「記録等事務代行アプリ」を通じて行う。検査標章などの印刷・発行なども可能だ。国交省では今後、利用者のさらなる利便性向上とOSS推進を目的に、整備事業者などが日常業務で利用している顧客管理システムなどの連携も視野に機能やサービス拡充を図っていく考えだ。

※日刊自動車新聞2023年(令和5年)10月5日号より