愛知県の大村秀章知事は15日、自民党の宮沢洋一税制調査会長に「自動車関係諸税の抜本的見直しを求める緊急声明」を含む要望書を手渡した。自動車ユーザーに対する税負担の軽減・簡素化や、自動車産業が国内投資を増やせるような施策の議論と実現を求めた。宮沢会長は「(自動車ユーザーの)皆さんに負担感がなく、公平感をもって、税をどうつくっていくかだ」などと応じた。
要望書では「日本の基幹産業である自動車産業が将来の国内投資判断を積極的に行えるよう、国が主導してさまざまな課題の解決と支援策を打ち出すことが必要だ」と強調し「自動車産業のさらなる競争力強化のためにも税制の果たす役割は非常に大きく、自治体にとっても雇用や税収の安定的な確保と地域経済の持続的な成長につながる」と訴えた。
自動車税制では、単なる税収減の穴埋めとして「走行距離課税」や「出力課税」などの新税創設や増税を自動車ユーザーに求めることにも反対し「国内市場の縮小や自動車産業の競争力低下を招くとともに、結果的には大きな減収につながる懸念がある」とも指摘した。
当日は、日本自動車連盟(JAF、坂口正芳会長)の関係者も同席し、「自動車税制に関するアンケート調査」をもとにまとめた税制改正要望書を宮沢会長に手渡した。
自動車関係諸税の抜本的見直しを求める首長有志による緊急声明の発表と政府・与党に対する要望活動は、11年から実施している。8県2市町の首長を代表し、大村知事が先週から関係省庁などを訪問していた。
※日刊自動車新聞2023年(令和5年)11月17日号より