近畿運輸局は、大阪合同庁舎(大阪市中央区)で現役の若手自動車整備士と整備業界の現状や課題などを話し合う「車座対話」を行った=写真。自動車技術安全部の野中秀紀部長ら3人と整備士6人が参加し、活発に意見交換した。
車座対話は2022年に続き2回目で、1日に実施した。主なテーマとして「整備士になった動機・きっかけなど」や「就職前に感じた不安、就職して感じたことや想像と違っていたこと」「自動車整備士の人材を増やすために、学校や学生、そのご両親にPRする内容」など5つを設定した。
「整備士になった動機・きっかけなど」のテーマでは、「小学生の頃に父親が車の修理で街の整備工場に行き、車が戻ってきたらきれいになっているのを見て感動した」(兵庫県・新車ディーラー勤務)や「もともと車が好きだったほか、勤務先の経験豊富な整備士にも憧れた」(奈良県・新車ディーラー勤務)という話が出るなど、車好きから整備士を志望した参加者もいた。
「就職前に感じた不安、就職して感じたことや想像と違っていたこと」のテーマでは、「給料や帰宅時間などを心配していたが、想像するほど悪くはなかった」(大阪府・新車ディーラー勤務)や「給料は少しずつ上がっている。家族を養っていることもあり安心している」(滋賀県・整備工場勤務)という意見が聞かれるなど、待遇にはある程度満足していることがうかがえた。
「自動車整備士の人材を増やすために、学校や学生、そのご両親にPRする内容」のテーマでは、「子どもたちが車に触れられるように車の分解や組立などを体験してもらった方がよい」(大阪府・新車ディーラー勤務)や「車好きがさらに増えるような取り組みがますます必要」(和歌山県・整備工場勤務)など、課題解決に向けたアイデアが挙がった。
野中部長は「仕事の達成感や整備作業以外の接客の大事さ、働きながら手に職をつけられる整備士の良さを知ってもらう工夫を図る」と締めくくった。
※日刊自動車新聞2023年(令和5年)12月13日号より