自動運転「レベル4」(特定条件下における完全自動運転)の移動サービスを普及させるため、政府は2024年1月から各都道府県に「レベル4モビリティ・地域コミッティ(仮称)」を設ける。25年度をめどに国内の約50カ所でサービスを実装する目標に向け、地域単位で官民が連携する枠組みを整える。
デジタル行財政改革会議(座長=岸田文雄首相)による「デジタル行財政改革中間とりまとめ」の中に盛り込んだ。岸田首相は「自動運転の事業化に向け、社会的なルール整備に加え、警察を含めた関係機関が連携する枠組みの立ち上げと社会実装を全都道府県で進める」と語った。
レベル4モビリティ・地域コミッティの構成員は国土交通省、経済産業省などの各地方機関、都道府県警察、事業者、自治体の担当部局を予定する。地域固有の課題をきめ細かく吸い上げ、関係者らが解決に当たるとともに、こうした事例を全国で共有し、レベル4による無人自動運転移動サービスの普及を加速させる狙いもある。
経産省は、国交省や警察庁、自治体などと連携し、「レベル4モビリティ・アクセラレーション・コミッティ」を11月に立ち上げた。26年初頭に都内で自動運転タクシーサービス開始を目指すホンダとゼネラル・モーターズ(GM)、GMクルーズの取り組みを後押しするのが狙いだ。道路交通法や道路運送車両法など、関連法令に基づく審査手続きの透明性・公平性の確保策などを検討する。
中央、地方の両コミッティともに経産省、国交省、警察庁など関係省庁が参画する。情報共有や課題解決に向けた検討で連携を図ることで、迅速な意思決定や政策立案などにつなげる。政府の規制改革推進会議もこうした検討状況を確認し、必要に応じて関係省庁に説明を求める方針だ。
※日刊自動車新聞2023年(令和5年)12月26日号より