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自動車業界トピックス

〈能登半島地震〉サプライヤーで生産再開の動き

未だ被害の全容把握できない企業も

能登半島地震が起きた北陸地方で、自動車関連サプライヤーの生産再開の動きが広がりつつある。安全確保のために稼働を見合わせていた東レの石川工場(能美市)や設備の一部に被害が出たアイシン軽金属(富山県射水市)などが今週から稼働を再開した。一方、ジャパンディスプレイ(JDI)の石川工場(川北町)や石川サンケン(岩田誠社長、石川県志賀町)の3工場は9日時点で再開できていない。いまだ余震が続く中、部品各社は社員の安全を確保しつつ、生産再開を急ぐ。

地震発生から1週間を迎えた輪島市内の被災地(8日午前)

住友電装グループのSWS西日本(古川茂樹社長、三重県松阪市)では、宇ノ気工場(かほく市)と田鶴浜工場(七尾市)の生産を8日から開始した。田鶴浜工場は通常の半数弱の人数で稼働を再開した。震度6弱を観測した新潟県長岡市に生産拠点を持つ日本精機や、日野自動車子会社のトランテックス(森茂社長、石川県白山市)も生産設備の確認を終え、予定通り8日から生産を開始した。

一方、震源地に近い地域に拠点を持つサプライヤーの中には、いまだ被害の全容が把握できていない企業もある。サンケン電気の子会社である石川サンケンの堀松工場(羽咋郡)、志賀工場(羽咋郡)、能登工場(鳳珠郡)は復旧作業を進めているが、9日時点で「生産再開時期は未定」としている。

加賀市内に3工場を持つ大同工業は、地震の影響で生産設備の一部が破損した。安全性を確認しだい、順次、稼働再開を目指す。村田製作所は石川県内にある13工場のうち8工場で稼働を再開したが、残りの5工場に関しては調整中だ。JDIは9日の稼働再開を目指していたが「確認を進めていく中で、再開にもうしばらく時間を要すると判断した」(JDI広報)とし、今月中の再開を目指す。

気象庁は8日、「今後1カ月程度は最大震度5強程度以上の地震に注意して欲しい」と呼びかけた。道路など輸送網の復旧も道半ばで、自動車各社は代替調達などを含め、安定生産に向けて気の抜けない日々が続きそうだ。

※日刊自動車新聞2024年(令和6年)1月10日号より