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自動車業界トピックス

国交省、ダイハツに是正命令 再発防止策1カ月以内に

ダイハツ工業の認証不正に関し、国土交通省は16日、道路運送車両法に基づく「是正命令」を同社に出した。立入検査を通じ、型式指定申請で複数の法令違反を確認した。再発防止策を1カ月以内に提出するとともに、実施状況を当面の間、四半期ごとに報告するよう同社に求めた。

是正命令書を手渡す斉藤国交相(左)とダイハツの奥平社長

斉藤鉄夫国交相が同日午後、省内でダイハツの奥平総一郎社長に是正命令書を手渡した。斉藤国交相は「是正命令を真摯(しんし)に受け止め、経営陣は当然ながら、社員一人ひとりも不正事案をわが事として考え、行動することが再生の第一歩と考える。会社の体制や体質を抜本的に改革しなければ、失墜した信頼を取り戻すことはできないことを肝に銘じ、二度とこのような不正を行うことのないよう再発防止に真剣に取り組んでほしい」と述べた。奥平社長は、一連の不正行為について改めて陳謝し「(是正命令を)しっかりと受け止め、重大なことだと認識し、社員全員で改善に努めてまいります」と応じた。

国交省は、是正命令の中で「ダイハツが講じるべき措置」として①会社全体の業務運営体制の再構築②車両開発全体の業務管理手法の改善③不正行為を起こし得ない法規・認証関連業務の実施体制の構築―を求めた。

国交省が立入検査などで確認した法令違反の内容は大きく2つある。①試験車両に不正な加工を行い、申請する自動車とは異なる構造の自動車を自動車技術総合機構に提示していた(自動車型式指定規則第3条違反)②試験車両に対する不正加工や、試験成績書の虚偽記載、試験データの不正操作などにより、自動車型式指定申請の申請書やそのほかの書面に虚偽記載をしていた(同第13条違反)―だ。現行生産全車種を含め、広い範囲で不正行為が行われていたことを確認した。

自動車メーカーの不正を踏まえ、国交省が是正命令を出すのは、2022年3月にエンジン認証不正問題が発覚した日野自動車に続き2社目となる。

※日刊自動車新聞2024年(令和6年)1月18日号より