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自動車業界トピックス

経産省、蓄電池製造装置も補助対象に 中小企業の連携を念頭に

今年度中に申請受付

日本の蓄電池製造装置メーカーは高い技術を持つとされる

経済産業省は、蓄電池製造装置メーカーを対象に設備投資の一部を補助する新制度案を公表した。パブリックコメント(意見募集)を今月29日まで募り、詳細を詰めて今年度中に申請受付を始める予定だ。

経産省は「蓄電池の製造サプライチェーン強靭化支援事業」の中で、経済安全保障推進法に基づく「蓄電池に係る安定供給確保を図るための取組方針」を改訂し、蓄電池製造装置を補助対象に加える。中小企業の連携を念頭に、複数の企業が共同で取り組むことを補助の条件として求め、取りまとめ役の企業は、コスト競争力や生産能力の方針を示した「供給確保計画」を経産省に申請し、認定を受ける必要がある。技術流出の防止対策や賃上げなど人材確保の取り組みも求める。

設備の共同受注をはじめ、蓄電池製造装置の仕様や使用するシステムの標準・規格を定めることなど、国内の製造基盤や競争力の強化に貢献する案件を補助対象とする。脱炭素化やデジタル化の強化につながる技術開発も対象だ。

日本の蓄電池製造装置メーカーは高い技術を持つ企業が多いが、約9割は中小企業で、先行き懸念などから設備投資に及び腰の企業も多い。このままでは蓄電池製造装置の供給がボトルネックとなり、蓄電池製造基盤の構築に支障が出かねないとして、該当メーカーを補助対象に加える。

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)などの調査によると、19年は約5兆円だった蓄電池の市場規模は50年に約100兆円にまで拡大する見通し。日本は「蓄電池産業戦略」のもと、国内製造基盤の確立とサプライチェーン(供給網)の強化を図り、蓄電池の国内製造能力を30年までに現在の7倍超となる年間150㌐㍗時まで高めることを目標に掲げている。

※日刊自動車新聞2024年(令和6年)2月3日号より