トヨタカローラ千葉は県内4カ所に板金塗装(BP)工場を展開している。このうち県央エリアを担うテクノショップ新港には多くの入庫車が集まる。ここで技術と経験に裏打ちされた匠の技を発揮しているのが佐藤さんだ。
とにかくクルマが大好きで幼いころから自動車業界で働くことが夢だった。進学した整備専門学校では「オールマイティーに仕事ができる整備士になりたい」と考え、2級課程を修了した後に車体整備を1年間学んだ。
入社後は学生時代の経歴が買われて2年目に異動の打診が。最初は一般整備をもう少し極めたいと断ったが、翌年も会社から熱心な誘いを受けた。BP部門に移った後は、順調にスキルを高め、トヨタ技術検定ペイント1級も取得。いまは現場に欠かせない存在として活躍している。
BPの魅力を佐藤さんは「状態が同じクルマが2つとない奥の深い仕事」と表現する。「同じ作業を繰り返す一般整備と違い、BPは1台ごとにすべて状態が異なる。さまざまな事情で入庫してくるお客さまのクルマをどこまできれいに仕上げてお返しできるか。そこにこの仕事の難しさと喜びがあります」と話す。
佐藤さんの目標は、全国トヨタ販売店サービススキルコンテストBP個人競技の全国大会に出場すること。「今年度は社内選抜で会社の代表に選ばれ、地区大会に臨みましたが、地区の代表にはなれなかった。いつかは代表になれるよう頑張りたいです」。語り口は控えめながら次に向けた意欲を燃やす。