ガソリンスタンド大手の宇佐美鉱油(宇佐美智也社長、愛知県津島市)は、グッドスピードの株式公開買い付け(TOB)を実施し、完全子会社化する方針を発表した。グッドスピードはTOBに賛同する意向を示しており、宇佐美の傘下でサービスステーション事業との相乗効果創出などに取り組む。宇佐美の発表によると、TOBはグッドスピードの筆頭株主である加藤久統社長から1株722円で取得した後、個人株主から1株850円で取得し、株式併合などを経て完全子会社とする計画だ。
宇佐美は全国約500拠点の直営給油所網を構築しており、今回のTOBによって、電気自動車(EV)の普及やさらなる燃費改善で燃料需要の減少が見込まれる事業環境への対応を進める。グッドスピードの中古車販売業をはじめ、整備や保険販売といったバリューチェーン事業を取り込み、ユーザーとの接点やカーライフにおけるかかわりを広げ、事業体制の一層の強化を図る。
グッドスピードは2002年に加藤社長の個人事業として創業し、03年に有限会社グッドスピードを設立。06年に株式会社へ移行し、19年東証マザーズ(現グロース)に上場した。現在は中部・関西エリアを中心に、中古車店を25店舗、買取専門拠点を5店舗、車検や板金塗装などの専業店10拠点を構え、レンタカー事業なども展開。また、子会社のチャンピオン76を通じてハーレーダビッドソンとBMWモトラッドの正規ディーラー、中古バイク店の運営も行っている。
※日刊自動車新聞2024年(令和6年)3月12日号より