日本自動車工業会(片山正則会長)は17日、2023年度の乗用車の市場動向調査結果を発表した。次世代車自動車の購入検討順位で「電気自動車(EV)が1位」と回答した比率は32%と前回調査時と比べて2㌽増加した。ただ、増加幅は7㌽増加した前回よりも減少し、EVシフトのペースが鈍化していることが調査にも表れた。前回調査と比べ「バッテリーの耐用年数」を懸念点に挙げた回答者も増えた。
同調査は隔年で実施している。今回は23年8月17日~10月6日に全国の一般世帯(単身世帯含む)を対象に訪問やインターネットなどで調査した。調査件数は4500件。乗用車のほか軽や二輪市場の調査結果もまとめた。
次世代自動車の購入検討順位では、ハイブリッド車(HV)が前回調査比2㌽減の50%、プラグインハイブリッド車(PHV)が前回と同じ11%だった。EVの購入理由については、〝軽EV効果〟もあって「家庭用コンセントで充電できる」と回答した人の割合が前回よりも7㌽多い47%に高まった。
一方、懸念点には、バッテリーの耐用年数のほか、「車両価格」(59%)、「走行距離」(32%)、「充電時間」(30%)などが挙がった。軽の市場動向調査によると、EVの購入を検討する人の割合は22%と前回調査から変わらず。
乗用車の調査ではこのほか、クルマの使用実態や維持費の変化などもまとめた。コロナ禍の2年前と比べて車の利用は約4割が「増加した」と回答した一方、高齢化などの影響で遠出の外出は約2割が「減少した」と回答した。月間の維持費は、燃料費の高騰などで前回より800円高い1万2100円だった。
今回の調査では、クルマの購入プロセスについても初めて調査した。購入時にインターネットを利用する人の割合は約2割にとどまった。自工会は「実物をみたいという意向が強い」と分析した。
※日刊自動車新聞2024年(令和6年)4月18日号より