日本自動車輸入組合(JAIA、上野金太郎理事長、東京都港区)は2024年度内に、「賛助会員制度」を新設する。JAIAとして、初めての取り組み。まず、「充電インフラ」「バッテリーリサイクル」「自動車整備人材関連」の3分野の事業者を対象にする方針だ。JAIAでは現在、車両の電動化の対策に力を入れており、関連する事業者と連携を深めやすくして施策の立案などに生かす。また、輸入車のディーラーでも課題になっている整備士の人手不足への対策の検討にも役立てるとみられる。
JAIAが27日に開いた総会で、決めた。同制度の創設には定款変更が必要で、所管の経済産業省の承認が取れ次第、具体的な枠組みや規定を決める。すでに、賛助会員の候補者とは話し合いを進めているという。JAIAの現在の正会員数は38。内訳は四輪が26、二輪が12となっている。
23年度の輸入電気自動車(EV)の販売台数は、前年比44.6%増の2万3807台と大幅な伸びを示しており、外国メーカー車全体に占める新車の販売台数の割合も9.7%となっている。JAIAではさらにEV販売を伸ばすためには、充電設備などインフラの整備が喫緊の課題とみている。そのために、まず関係する分野で賛助会員を募り、インポーター各社との連携を深めていく。懇談やイベントに参加してもらい「それぞれの顧客を紹介するなどし、ウィンウィンの関係を目指す」(JAIA幹部)という。幅広い業界との連携で、政府への働きかけも進めていく考えだ。
上野理事長は総会後に、EV用充電器の電圧の上限緩和などを訴えた。国内では現在、事実上450㌾(直流)以下に制限されている。また、高速道路での充電待ちを解消するため、一般道に一時退出できる制度の創出も必要とし、関係各所に要望していくとしている。
総会ではこのほか、24年度は「市場活性化」「環境エネルギー分野」「安全と基準の調和」「自動車の公正取引・アフターセールス」「モーターサイクル」の5つのテーマを中心に活動していく方針も決定。11月ごろに、東京の中心部で複数の会場を使って、一般客向けの輸入EVイベントを実施することも決めた。
※日刊自動車新聞2024年(令和6年)5月30日号より