整備士の減少に歯止めがかかりつつある。日本自動車整備振興会連合会(日整連、竹林武一会長)がまとめた「2018年度自動車分解整備業実態調査」によると、調査年度の整備士数は前年度比0.6%増の33万8438人だった。増加は2年連続だ。整備要員数に占める整備士数の割合(整備士保有率)は84.8%となり、前年から0.7ポイント伸びた。もっとも現場では人手不足がなお深刻で、若者の確保や外国人の活用など引き続き、地道な取り組みが求められる。
18年度調査によると、整備要員(工員)数は0・1%(343人)減の39万9374人となり、2年連続のマイナスで、40万人割れも2年連続。一方、整備士数は2078人増加し、前年調査の1705人を上回る結果となった。高齢整備士の退職が一段落したことや、採用後の教育で整備士資格取得者が増加したことなどがあるという。
整備士数に底打ち感が出てきた一方で、平均年齢はなお上昇し、女性整備士数も減少が続いている。整備要員の平均年齢は45.3歳と前回から0.3歳上昇した。業種別では専・兼業が0.4歳伸びて49.7歳、ディーラーも0.3歳伸びて35.3歳だった。
近年、活躍が期待されている女性整備士は303人減の1万605人だった。マイナスは2年連続。女性整備要員数も減少し、559人減の1万7323人となった。整備士数に占める割合は3.1%。前回から0.1ポイント低下する結果となった。
整備士不足を背景に広がりを見せているのが外国人労働者の活用だ。厚生労働省によると、自動車整備業における外国人労働者数は1849人(17年10月末現在)。国土交通省は、新たな在留資格制度において今後5年間のうちに最大7千人の受け入れを見込む。こうした施策により、整備士数の増加が続くかは不透明だが、技能実習生や留学生は着実に増えている。
※日刊自動車新聞2019年(平成31年)2月8日号より