日本自動車販売協会連合会(自販連)がまとめた2018年度(18年4月~19年3月)登録乗用車の燃料別新車販売台数によると、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)などの電動車販売は前年度比1.0%増の116万6884台と過去最高を更新した。電動車比率は40.5%となり、暦年・年度を通じ初めて4割を超えた。電動車販売の中心となるHVはこれまでトヨタ自動車がけん引してきたが、日産自動車やスズキ、スバルが台数を伸ばし、電動車販売全体を押し上げた格好だ。
電動車販売に占めるHV比率は96.2%と、前年より1.3ポイント上昇した。HV販売で最も高い伸び率を示したのはスバルだ。前年度比355倍となり、同社初のマイルドハイブリッドシステム「eボクサー」を搭載した新型「フォレスター」の販売が好調で、HV販売を大幅に伸ばした。日産は「eパワー」の搭載車種を「ノート」に加え「セレナ」に拡大したことで前年比9.4%増となり、HV比率は6割に迫った。スズキも主力車「スイフト」や「ソリオ」にマイルドHVを設定したことで6.7%増となり、HV比率は6割を超えた。
HV販売台数が最も多かったトヨタは0.2%減とほぼ前年水準を維持した。ホンダは2.8%減となり、日産の台数を下回った。輸入車は前年度比18倍と大きく伸ばしたが、HV比率は3.2%とまだまだ水準は低い。
EV販売は、日産「リーフ」の新型車効果が一巡したこともあり、合計台数が2.6%減とわずかに前年実績を下回った。プラグインハイブリッド車(PHV)は、トヨタ「プリウスPHV」の投入から1年以上が経過したため大幅に減少した。その中で、EV航続距離を延ばした「アウトランダーPHEV」の投入で三菱自動車が32.8%増と健闘した。
HVを中心に電動車販売が伸びたのは、これまでメインプレイヤーだったトヨタやホンダに加え、日産やスズキがHV搭載車種を拡充していることが背景にある。また、昨年全国を襲った自然災害の影響で、PHVやEVの大容量バッテリーが災害時の電源として注目されるようになり、北海道など一部のエリアでは需要が活性化した。メーカーも環境対応に向けて電動車開発を加速しており、電動車の販売比率は今後も高まりそうだ。
※日刊自動車新聞2019年(平成31年)4月8日号より