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自動車業界トピックス

ビッグデータ有効活用 整備需要の取り込みへ 統一システム普及強化

本格運用へ土台づくり

将来のビッグデータの活用による顧客管理や、コネクテッド技術を用いた整備需要の取り込みを見据えて、整備業界が本格的な仕組みづくりに着手した。全日本ロータス同友会(小川晃一会長、東京都港区)は、今年度から統一整備システム「ロータスプログレス」の普及活動を強化し、本格的な運用に向けた土台づくりを進める。2021年からはビッグデータの分析にも着手し、24年には加盟する約1600社すべての同友企業での稼働を目指す。

「プログレス」によるビッグデータの活用(イメージ)

同システムは昨年6月からブロードリーフと開発をスタート、9月から企業への導入を始めた。各支部で説明会などを開き周知を進めており、すでに約120社が使用している。整備システムは通常、数年単位で契約をするものが多いことから、更新時期などをにらみながら同友企業に導入を推し進めていく。
システムは独自のサーバーを持つクラウド型で、税制改正など経営環境の変化に合わせて迅速に最新のプログラムに更新できる。また日々集めたデータを分析すれば、整備予測やそれに関する補修部品などの一括仕入れによるコストダウンにもつながるとみている。さらに次世代自動車など高度な整備技術を要するクルマが入庫した際に、それらの整備情報を共有でき、これらの情報が同会における整備の質を底上げするというメリットもある。
小川会長は「全国規模での情報共有機能として大きな役割を果たすことができ、同友企業に対してさまざまな形で還元が可能だ」みており、ビッグデータの活用が顧客管理だけでなく、同会の加盟店拡大にも寄与するものとみている。
近年、各メーカーもコネクテッド化を進めておりディーラーへの整備入庫を促しやすくする流れを整えつつある。整備業界としてもこれらに対応できる整備技術や顧客管理能力の備えが急務と捉えており、今後もビッグデータやAI(人工知能)を生かす体制づくりを各団体などで積極的に進めていくとみられる。

※日刊自動車新聞2019年(令和元年)5月10日号より