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パナソニックが半導体事業から撤退  日系自動車業界が影響を懸念

パナソニックが半導体事業からの撤退を決定した。日系企業は半導体事業から相次いで撤退しており、車載半導体の調達では、すでに外資系のシェアが高くなっている。パナソニックは半導体業界でのシェアは高くないものの、ここ数年、車載向けに注力してきた。自動運転や電動化に伴って、自動車に搭載される半導体の数は増加の一途をたどっている中、日系半導体がまた1社姿を消すことに、日系自動車メーカーや部品メーカーの先進技術開発に影響が及ぶ可能性もある。

パナソニックは半導体子会社のパナソニック・セミコンダクターソリューションズ(PSCS)を、台湾の半導体メーカー華邦電子の子会社の新唐科技に2億5000万ドル(約270億円)で売却する。

パナソニックは赤字事業となっていた半導体事業を再建するため、AV分野から車載・産業分野にシフトするとともに、イメージセンサーや、バッテリーマネジメント用IC、リチウムイオン電池保護回路用MOSFETなど、電動車両や自動運転の部品向けにリソースを集中してきた。経営効率化を図るため、北陸工場の半導体ウエハ製造工程を、イスラエルの企業との合弁化し、シンガポール、インドネシア、マレーシアの半導体組立て工場を売却した。国内外の拠点の統廃合も進めてきた。

しかし、米国、韓国や台湾企業のシェアが拡大し、業界再編も加速する中、米中貿易摩擦の影響もあって市況が悪化していることからパナソニックの半導体事業は苦戦が続き、赤字から脱却できない状況が続いていた。新唐科技がパナソニックの半導体事業の技術力や商品力を高く評価していることから事業を売却して撤退することにした。

事業売却に向けてパナソニックの半導体関連子会社の株式を、PSCSに移管する。PSCSのリードフレーム事業は分社化してパナソニックのグループ会社に移管する。その上で2020年6月をPSCSの全株式、シンガポールと中国の子会社の半導体事業を、新唐科技に売却する。国内外の従業員約2400人の雇用は台湾企業が維持する見通し。

半導体市場でトップだった日系半導体メーカーは、米国や台湾企業の台頭でシェアが低下、統合や事業売却を繰り返してきた。現在の日系半導体メーカーの大手は日立、三菱電機、NECのマイコン事業を統合したルネサスエレクトロニクス、外資ファンドも出資しているキオクシア(旧東芝メモリ)、ソニーセミコンダクタソリューションズの3社に絞られる。

一方、グローバルでの…(続きは電子版で↓)

https://www.netdenjd.com/articles/-/224329

※2019年(令和元年)12月3日 日刊自動車新聞  電子版より一部抜粋