京都産業大学の学部生たちが、自動車整備士の仕事をテーマにした絵本を制作し、京都市内の幼稚園で絵本の読み聞かせを始めた。整備士の成り手不足や新技術への対応など、ゼミ活動で整備業界の課題解決に挑んだ取り組みの一環。地元の整備工場やディーラーもこの活動を支援しており、新たな産学連携の取り組みとしても注目を集めそうだ。
制作した絵本は「ありがとう くるまのおいしゃさん」で、誕生日にケーキが届かない男の子が夢の中でケーキを届ける車の故障を、車のお医者さんのお陰で直すことができる…というあらすじ。京産大経営学部の伊吹勇亮准教授のゼミ生22人が、多くの人が整備士の仕事の社会的役割を理解していないとの調査をもとに、記憶に残りやすい幼稚園年長児を対象に、絵本で整備士の存在や仕事の大切さを伝えようと試みた。
同ゼミでは制作した絵本を京都市内に111あるすべての幼稚園に寄付するほか、一部で実際に学生が幼稚園を訪れて絵本の読み聞かせを行っている。また、その動画をユーチューブでも公開した。メンバーは「絵本を見た5~6歳の幼稚園児の頭に自動車整備士のイメージが残ることで、将来的に(整備士の)社会的地位の向上を図ることが可能になるのでは」と話している。
※日刊自動車新聞2020年(令和2年)1月14日号より