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自動車業界コラム

経営力点の明確化で士気高揚
ネッツトヨタ道都(鎌田直之社長)は「ES」と「CS」は表裏一体とし、10年以上前からトヨタ自動車が推奨する「ES向上プログラム」に参加するなど、かねてよりES向上に取り組んできた。鎌田社長は「ESとCS向上の両輪で企業の持続的発展を推進する力が強くなる」と話す。
同社の「ネッツ道都経営理念」として「お客様に愛され、社員に夢を 信頼と創造のネッツ道都」「社員の知恵と工夫と行動でお客様と共に発展するネッツ道都」が社内に掲げられている。さらに3つの経営ビジョン①お客様に信頼されるお店づくり②創造とチームワークが発揮できる社内体制づくり③働いた人が報われる仕組みづくり―が記されている。
平成9年、創立40周年を機にプロジェクトチームを結成して作った文言。ES調査では社員との対話を通して自社課題を抽出し、「全社を挙げて会社をより良くする活動に取り組むことで、自社の活力向上につながる」。経営力点の明確化で社員の士気高揚を図ってきた。
ES調査は「仕事のやりがいと達成感」「職場環境」「将来の不安」など多岐にわたる。社内アンケートで社員満足度などを多角的に調査し、日常的に店舗や工場など職場環境に気を配り、働きがいを見出す雰囲気づくりや仕組みの構築を早くから進めてきた。
 また、社内表彰などはスタッフの大きな励みであり、ES向上につながっている。車の安全確保に重要な役割を担うサービス部門の強化は、顧客満足度の?S向上に欠かせない。日進月歩で進む技術力の進化と共に研修制度の充実、若手エンジニアのモチベーション上昇が全社的なレベルアップに直結する。
昨秋に「第16回社内技術コンクール」が開かれ、入社3、4年次のサービスエンジニア8人が学科と実技で腕を競い合った結果、U―MEGA山の手店の篠塚匠選手が優勝した。篠塚さんは「プレッシャーがあった。お客様の笑顔に応えるためスキルアップに努めたい」と気持ちを新たにしていた。
同社はトヨタ自動車のカーシェアリングサービス「TOYOTA SHARE(トヨタシェア)」を道内で初めてスタートするなど、全社的な対応が早い。今回の新型コロナ禍の以前からweb会議を実施してきており、各自が主体的に効率的な働き方を意識し実践することで労働生産性の向上を図っている。

※日刊自動車新聞2020年(令和2年)6月23日号より