4月に導入された「特定整備」制度を受けて、エーミング(機能調整)作業などを行う「電子制御装置整備」の対象車種が、8月中旬時点で国産車メーカー11社の計61車種になっていることがわかった。最も対象台数が多いのは、トヨタ自動車(レクサス含む)の21車種で、次いでホンダの10車種が続く。他のメーカーは1桁で、三菱自動車は該当車がゼロとなっている。2021年以降に発売する新型車(輸入車は22年)は全て衝突被害軽減ブレーキ装着が義務化されるため、対象車種は今後増える見通しだ。
国土交通省のホームページで公開されている特定整備の適用を受ける車種で、対象車種が2桁のトヨタ(トヨタ車が16車種、レクサス車が5車種)とホンダ以外を見ると、マツダ、いすゞ自動車、三菱ふそうトラック・バス、日野自動車が5車種、UDトラックスが3車種、日産自動車、ダイハツ工業、スズキが2車種、スバルが1車種となっている。
4月以降に発売した主な新型車で対象車種となっているのは、トヨタの「RAV4」「ハリアー」、日産「キックス」、ダイハツ「タフト」など。現時点では、トヨタ「アクア」、日産「ノート」、ホンダ「N-BOX(エヌボックス)」など車名別販売台数の上位車種は対象車種になっていない。
特定整備は将来的な自動運転車の点検、整備を見据え、今春の道路運送車両法改正に伴い導入された。対象車種の電子制御装置整備を手掛ける上で、監視用カメラやレーダーなどが装着されたグリルやフロントガラスの脱着が対象作業となる。整備事業者をはじめガラス修理事業者、電装品整備事業者などでは特定整備の認証取得を急いでいる。
※日刊自動車新聞2020年(令和2年)8月20日号より