トヨタ東京自動車大学校(上田博之校長、東京都八王子市)は今年4月に「国際整備科」を開設した。外国人留学生の受け入れ間口を広げ、学生誘致に弾みをつける狙い。3年課程で国家2級整備士資格取得を目指していく。通常2年間で取得する資格を3年制にすることで、ゆとりを持って学習が進められるメリットを活かしていく。
トヨタディーラーでは全国的に外国人メカニックの採用が増えている。その中で、同校として2級国家資格を持つ外国人メカニックを育成し、トヨタディーラーらに排出することで即戦力の人材供給に役立てる。
今年4月入学の第1期生は14人(コロナ禍で帰国中の2人を含む)で男性13人、女性1人。国籍は中国、ベトナム、スリランカ、バングラディッシュ、インドネシアなど多彩で、全員が日本語学習と並行して自動車整備の知識、技能習得を図っている。
同科では「日本人より手先が器用な学生が多く、新たな知識を吸収しようという姿勢は素晴らしい。真面目で熱心な学習態度への評価も高い」(安藤洋一教諭)という。自動車整備を学ぶべく相応の労力、資金を投じてまで来日しただけに、自らの技能のレベルアップには懸命の姿勢を見せているようだ。
一方で、課題となるのが日本語能力の上達。基本的に日本語で行う授業において円滑にコミュニケーションを図っていくため、同校では「グーグルの翻訳機能などを使いながら、対話ではなるべく分かりやすい日本語の使用を心掛けている」(同)と工夫している。同校ではそのほかにも、日本での生活や就職活動に困ることがないよう日本の習俗を学ぶ時間を設けるなど、さまざまなサポートを行っている。
※日刊自動車新聞2020年(令和2年)10月29日号より