日本の新車市場における輸入車の存在感は、年々高まっています。日本自動車輸入組合(JAIA)のまとめによると、2019年度(19年4月~20年3月)の外国メーカー車新規登録台数は、前年度比5.1%減の29万2109台でした。3年ぶりに30万台を割り込んだものの、登録車販売全体に占める割合は9.2%となり、過去最高だった18年度に次ぐ過去2番目の水準です。高額車とのイメージが強い輸入車ですが、インポーター各社が100万~300万円台のモデルも日本市場に投入したことなどで、ユーザーのすそ野を広げています。
19年度は消費税増税や大型台風による被害で営業活動が滞ったことが響いて前年度の台数を下回りましたが、需要自体は堅調に推移しています。特にクリーンディーゼル(DE)車の販売比率が27.3%と過去最高を記録しています。また、ハイブリッド車(HV)も前年度と比べて1.3倍になるなど、人気を集めています。
ブランド別の新規登録台数をみてみると、メルセデス・ベンツが5年連続で首位に立っています。コンパクトモデルの「Aクラス」などで客層を広げたことが功を奏しています。2位はフォルクスワーゲン、3位はビー・エム・ダブリューです。また、ジープやポルシェなど8つのブランドが過去最高の販売を記録しました。
日本の新車市場は、他の国と比べて輸入車の割合が小さいといわれています。しかし、各インポーターが購入後のメンテナンスサービスを充実するなど、輸入車を購入する不安を払しょくする取り組みを続け、登録車全体の1割に迫るところまでシェアを押し上げています。今後は、新たな電気自動車(EV)を日本市場に投入する見通しとなっており、充電インフラの充実やサポート体制が整うことで、国内EV市場の拡大と輸入車販売の底上げが期待されています。
※日刊自動車新聞2020年(令和2年)4月20日号より