2019年度に国内で販売された普通トラック(積載4㌧以上)の新車は、前年度比0.4%増の9万1858台(業界筋まとめ)となり、2年連続で増加しました。消費税増税や排ガス規制切り替え前の駆け込み需要が発生したことから9月までの販売が好調だったことがプラスとなった要因です。
トラックは大型、中型、小型に分類され、このうち大型と中型を合わせたトラックが普通トラックと呼ばれています。19年度新車販売では、大型が約6万台、中型が約3万2千台でした。また小型トラックはおよそ10万台の水準とみられています。インターネット通販が普及したことで、宅配需要が増しているため、今後はこうした小回りの利くトラックが求められる傾向は続きそうです。このほか乗用車メーカーが生産する軽自動車のトラックは約18万台ありました。
トラックを生産している国内の大型車メーカーは日野自動車、いすゞ自動車、三菱ふそうトラック・バス、UDトラックスの4社です。このほか一部外国メーカーのトラックも市場で流通しています。
道路を走っているトラックは、主にこれらの大型車メーカーが生産したシャシーに、架装メーカーが使用用途などに応じて荷台部分などを組み付けることによって完成しています。
今、輸送業界はドライバー不足などさまざまな課題を抱えています。大型車メーカー各社はこうした課題解決に向けて自動車運転技術の開発にも力を入れており、実現に向けて期待が高まっています。
また、大型車メーカーが力を入れているのがテレマティクスサービスです。いわゆる、つながるクルマと呼ばれるものですが、車両の不具合情報をいち早くキャッチすることなどで、より質の高いアフターサービスを提供できるようになります。さらには、こうしたつながる機能を生かし、輸送の効率化を図ろうとする動きも進んでいます。
※日刊自動車新聞2020年(令和2年)4月23日号より