後輩達にもっとクルマ好きになってほしい
千葉マツダ 船橋店 サービスアドバイザー 係長 大澤 裕貴 さん
昨年、国家1級とマツダ資格のメカA級を相次いで取得した。2つの最上位資格を同時に取得した例は同社でも過去にない。本人は「たまたま重なっただけです」と最後まで控えめだが、その誠実さと確かな技術に寄せる周りの信頼は厚い。
大澤さんは入社15年目のベテランだ。勤務して10年目のころ、国家1級を目指してみようと思い立った。1級資格に「特別な思いがあったわけではなかった」が、働きながら学び続けることは人知れず大変だった。そして挑戦開始から6年目での合格。「今回だめなら諦めるつもりでした」と謙遜しつつも、最後まで投げ出さずに努力した結果が見事に花開いた。
今はサービスアドバイザーとして、お客さまと現場をつなぐ橋渡し役を担う。自分で作業する機会は減ったが、それでも後輩だけでは分からない診断や測定を一緒に考え、アドバイスすることを欠かさない。船橋店は旗艦店ゆえに工場も忙しいが、多忙だからこそ「スタッフ同士が話しやすい雰囲気づくり」を大切にしている。
2つの目標を成し遂げた今、大澤さんが目指すのは「後輩たちにもっとクルマを好きになってもらうこと」だ。「楽しんで仕事をしないとミスも出るし数字も上がりません。そうならないためにもクルマ好きのメカニックが増えればいいと思っています」。穏やかな話しぶりながらも、しっかりとした言葉で相手に伝えかけてくる存在感が大澤さんの魅力だ。
難しい説明も一人でできるように
長沼店 グエン・フィ・フン さん
ベトナム出身のグエンさんは、千葉マツダに6人いる外国人メカニックの第1期生だ。同期入社したもう一人のベトナム人と一緒に、長沼店で車検・点検の整備をこなす。素直で熱心な仕事ぶりを周囲も惜しみなく応援する。
グエンさんの来日は2015年。日本語学校で2年学んだ後、都内の自動車大学校で国家2級の資格を取った。クルマといえば日本車が大半のベトナムで、小さいころから日本に憧れを持った。最初は留学を心配した両親も、日本の高いクルマ技術を学びたいというグエンさんの日本行きを、最後は応援してくれた。
学校の教材車の中でもマツダのデザインが格好いいと思っていた。マツダのディーラーへの就職を希望し、会社の雰囲気が一番良かった千葉マツダを選んだ。2年目の現在は他のメカニックと一緒に点検整備を主に受け持つ。「まだ分からないことは多いですが、難しいことも優しく教えてもらっています。もっと頑張って今より早く仕事が出来るようになりたいです」と、丁寧な言葉で話す。
お客さまに整備内容を説明するのもグエンさんの仕事だ。最初に比べると緊張は解けてきたが、「詳しい説明となると、まだ周りの助けを借りなければなりません。難しい説明でも一人で出来るようになりたいです」と目標は明確だ。
留学生向けに翻訳ソフトで作った会社案内を、ベトナム人が読んでも違和感のない文章に翻訳してくれたというグエンさん。仕事に慣れるとともに、スキルの引き出しも増えていきそうな期待がある。