自分で答えを出す考察力を身に付けて
横浜トヨペット サービス部 技術教育室 専科教育グループ主査 永森 浩行さん
現在、トヨタ検定取得に向けた3社合同の研修や、技術コンクール向けのトレーニングを担当している。これまでもサービス部門の人材育成に長く携わってきた。「分かりやすい環境を用意してあげたい」と、エンジンのカットモデルを自作するほど、熱い思いで同グループの技術教育に力を注ぐ。
永森さんはサービス技術コンクールで全国優勝を果たした経験がある。全国優勝を勝ち取った時に感じたことは「まだまだ学ぶべきことがある」というスキルアップへの意欲だった。
店舗や技術教育の現場を行き来する中で「整備技術をお客さまに対しどう生かしていくか」を見つめ直すようになったという。技術革新が進み、少し現場を離れると新車には新しい技術が搭載される。「この歳になっても、常に先進技術を習得しさまざまなトラブルに備えている」と学ぶ姿勢は変わらない。後輩らには「自分の頭で考え答えを出す〝考察力〟を身に着けてほしい」と指導する。「整備士はお客さまの命を預かる仕事。技術の習得にはそうした基本を忘れないことが重要」とし、お客さまを守る確かな技能と高い技術、それを支える魂(ポリシー)を育てている。
海外人材が安心して働ける環境構築
横浜トヨペット サービス部 技術教育室 技術教育グループ主査 五十嵐 亨さん
ウエインズグループがカナダのトロントで運営するドンバレー・ノース・トヨタ(現ウエインズカナダ)に出向した経験を持つ。同グループではサービス技術の底上げを図る狙いで、エンジニアのリーダー格の人材を海外拠点に派遣している。入社後に同制度を知ったという五十嵐さんは、家族の同意を得て妻と3歳児、6カ月の乳児とともに2015年から5年間海外生活を経験した。「カナダは移民が多く、多様な考え方が混在し成り立っている国。異国の文化を肌で感じることができ、貴重な経験だった」と振り返る。
当時、教育制度が日本ほど確立されていなかったというカナダでの経験を生かし、帰国後は店舗などの現場を離れ、技術教育の集合研修などで指導役を務めた。現在は3社合同で行うエンジニアの新人研修を担当する。「日本のサービス現場も外国人エンジニアが増え、またお客さまも多様化している。海外の人が安心して働ける、また外国人のお客さまが安心してクルマの相談ができる環境づくりに貢献できれば」と、海外拠点を持つ同グループの強みをけん引する。
全国優勝を経験、今度は人材の育成
横浜トヨペット サービス部 技術教育室 専科教育グループ 中村 竜也さん
教育グループの中で、BPのトレーナーとして新人教育やコンクール出場選手の育成を担当する。自身でも技術コンクールのボデー競技で全国優勝した経験があり、「コンクールで優勝を狙えるレベルを店舗のスタンダードにしたい」と、目標は高い。
現場で約2年半経験を積み、車検や点検整備、一般整備などを一人で任されるようになった頃、社内で板金・塗装(BP)エンジニアの募集があった。「新しいことにチャレンジできる機会」との考えで応募した。
経験や成長に合わせ任される仕事も増えた頃、手を上げていた技術コンクールへの出場が決まった。当時、新婚で育児にも奮闘していた中村さんにとって、訓練期間でも残業する時間はない。残業ゼロで全国優勝を目指すという挑戦が始まった。同社にはBP分野において理論的なプログラムがあり、「効率的に技術と技能を習得することができた」という。慕っていた先輩に続いて、全国大会を連覇し「今度は自分が育てる側へ立場が変わった」と人材育成に力が入る。エンジニアの育成のために同社が開発した塗装ロボットの初号機制作に、中村さんも携わった。高品質の次世代BPサービスの提供に、教育という面で貢献する大きな力だ。