2021年(1~12月)の国内の電動車販売台数は前年比8.0%増の148万8421台となり、乗用車に占める電動車比率が前年と比べて4.3㌽アップの40.5%と、暦年で初めて4割を超えた。半導体不足などの影響から国内の乗用車市場が同3.5%減と低迷したものの、補助金効果などもあって電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)の販売が伸びた。22年はトヨタ自動車の「bZ4X」、日産自動車の「アリア」、日産と三菱自動車が共同開発する軽EVなど、新型EVの投入が控えており、電動車市場が盛り上がる見通しだ。
日本自動車販売協会連合会(自販連、加藤和夫会長)がまとめた燃料別新車販売台数によると、21年の登録乗用車でハイブリッド車(HV)、EV、PHV、燃料電池車(FCV)の電動車は同13・0%増の107万3484台となり、100万台を超えた。電動車比率は前年と比べて6・4㌽アップして44・7%となり、過去最高記録を更新した。
登録車の電動車販売で大きく伸びたのはPHVで、同54・5%増の2万2777台となった。トヨタの「RAV4 PHV」や三菱自の「エクリプスクロス PHEV」などの販売が好調だった。EVも好調で、米テスラをはじめ輸入車の販売が同3・1倍となり、EV市場全体を引っ張った。
登録乗用車に占めるPHV、EV比率はともに0・9%にとどまり、欧州や中国、米国と比べて低い。
一方、全国軽自動車協会連合会(全軽自協、赤間俊一会長)がまとめた電動車内訳台数によると、21年のHVとEV合計販売台数は同2・9%減の41万4937台と、前年割れとなった。16年に電動車の統計を開示して以来、軽の電動車がマイナスとなるのは初めて。半導体不足などで減産したことが大きく影響した。
軽HVを設定するスズキ、日産、三菱自、マツダの4社はともに前年を下回った。20年末に市場投入したトヨタ「C+pod(シーポッド)」は554台にとどまった。
一方、21年12月単月の電動車販売台数は、登録車と軽自動車合わせて前年同月比2・7%減の11万3993台と、2カ月ぶりマイナスとなった。電動車比率は前年同月と比べて3・5㌽アップした40・7%だった。このうち、登録車は同13・3%増の9万4156台と好調だった。軽は日産「ルークス」と三菱自「eKスペース/eKクロススペース」が不具合を理由に販売を停止した影響から同41・7%減の1万9837台と大きく落ち込んだ。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)01月13日号より