経済産業省は、企業が設定した二酸化炭素(CO2)排出削減目標を国が評価する「グリーントランスフォーメーション(GX)リーグ」の基本構想を公表した。参加企業には「2050年カーボンニュートラル実現」を前提としたCO2削減目標の設定を求めるとともに、未達時には企業間でのカーボン・クレジット取引などで不足分を賄う仕組みを設ける。一定の成果が認められた企業への補助金なども今後検討する。企業の排出削減に対する意識を醸成し、早期の脱炭素化を目指す。
企業規模や業種は問わない。4月から1年かけて制度の実証を進め、23年度からの本格稼働を計画する。実証では100社ほどの参画を見込み、最終的には500社の企業群構築を目指す。
参画企業には、産業革命前からの気温上昇を「1・5度以内」に抑えるための努力目標と実現に向けた取り組みの公表を求める。加えて30年度までの中間目標も設定し、未達の場合には自主的な超過削減分の公表を要望する。
自社だけでなく、サプライチェーン全体でのCO2排出削減も求める。そのため、自動車をはじめとした製造業の場合、調達先であるティア1、ティア2の下請け企業にもカーボンフットプリントの表示などを要請し、調達網全体でCO2排出の見える化と削減を図る必要がある。
GXリーグへの参画は企業の判断に一任し、強制化はしない。経産省は参画企業にはESG資金の調達などでメリットがあるとするほか、一定の成果が出た企業に関しては補助金の支給や政府調達における優遇措置などのインセンティブの付与を検討していく。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)2月3日号より