スズキ自販湘南の大髙沙織さんは、同社初の女性店長として「スズキアリーナ湘南あやせ」を切り盛りする。「皆に支えられ何とかやっています」と謙遜するが、大髙店長のテキパキとした対応と女性ならではの細やかな気遣いが居心地のよい空間をつくる。同社が期待を寄せる若きリーダーだ。
　大髙さんは、父がスズキ車をメインとする自動車販売店を営んでいることもあり、幼い頃からクルマは身近な存在だった。取引のあった同社に営業職として入社したが、「新人の頃はお客さまに話した内容が本当に正しかったのかと、帰宅してからも不安に駆られることがあった」と責任感の強さがのぞく。翌日は確認の手紙を送るなど、手間を惜しまない対応でユーザーの信頼を築いてきた。
営業職として１０年のキャリアを経て、２０２０年１０月に店長に抜擢された。同社では４０～５０歳代の店長が多いこともあり「まだ経験も豊富とは言えず、自分にはとても務まらない」と、一旦は辞退したと打ち明ける。しかし、三溝社長や営業の責任者から「会社全体でフォローするのでチャレンジしてみないか」と背中を押され、覚悟を決めた。
同店には大髙さんの入社当時の店長をはじめ、これまで一緒に仕事をしたメンバーが多い。「店長として試行錯誤ではありますが、脇をかためてもらっているので安心感があります」と周囲の協力に感謝を示す。
スタッフの育成にも力が入る。今は一年次の営業スタッフの商談に同席し、フォローしながらノウハウを身につけられるよう導いている。「悩んでいる時に気づいてあげられるよう、頻繁に声をかけるようにしています」と、スタッフの健康やメンタルケアにも気を配る。「女性の営業スタッフや店長がいてよかったというお客さまもいらっしゃるので、今後女性がさらに活躍できる環境づくりに貢献できれば嬉しい」と話す。大髙さんのチャレンジが新しい道を作っている。