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自動車業界トピックス

政府、燃料油価格高騰激変緩和の追加対策

助金上限25円に “トリガー並み効果”狙い

 政府は4日、原油価格高騰に関する関係閣僚会合を開き、「燃料油価格激変緩和措置」の拡充など追加対策を決定した。石油元売り会社に支給する補助金の上限額を、現在の1㍑当たり5円から25円に引き上げる。LPガス価格高騰分を補填するタクシー事業者向けの支援も拡充する。電気自動車(EV)などクリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた支援策も盛り込んだ。2021年度の一般予備費から約3600億円を活用する。ウクライナ情勢の悪化で原油価格の高騰が続く中、業種別も含む対策を重層的に講じて国民生活や企業活動への影響を最小限に抑える。

石油元売り会社に支給する補助金の上限額は10日に引き上げる。トリガー条項に匹敵する効果

を狙い、支給額を上限25円に決めた。3月中はガソリンの全国店頭平均価格が172円程度にとどまるように支給する。引き続き軽油、灯油、重油も対象となる。「来週、再来週は価格が上がるものの、一時的と見込んでいる」(資源エネルギー庁)という。激変緩和措置の追加予算には、3600億円のうち3500億円を充てる。

1月下旬に発動した激変緩和措置は、2週間で上限の5円に到達した。その一方でガソリン店頭価格は8週連続で上昇。ただ、2月28日時点の全国平均は1㍑178円80銭で、抑制効果が5・4円と初めて支給額の上限5円を上回った。現在、激変緩和措置は3月末までの時限措置となっている。4月以降の期間延長については、ウクライナ情勢を見極める必要があるため「あらゆる手段を排除することなく、政府全体で検討し、対応していく」(岸田文雄首相)とした。

タクシー事業者の支援も拡充する。LPガスの価格高騰に対する負担軽減を目的に、燃料油価格の激変緩和措置に準じ、直接支給額を現在の上限5円から25円に引き上げる。予算規模は約9億円とする。

トラック運送や内航海運については、燃料の価格上昇分が適正に運賃に反映されるよう荷主企業などに理解と協力を呼びかける。貨物自動車運送事業法などに基づき、運賃の不当な据え置きなどに対し、働きかけ、勧告、公表などの必要な措置を行う。

中小企業対策では、商工会議所などに「ウクライナ情勢・原油価格上昇などに関する特別相談窓口」を設置。セーフティネット貸付の要件緩和や金利引下げなどを通じて中小企業の資金繰りを支援する。

EVや燃料電池自動車(FCV)などの購入支援も充実させる。クリーンエネルギー自動車の普及促進を加速させ、需要増や車両価格の低減などにつなげたい考えだ。産業・業務部門の省エネ設備への更新に関する補助制度を活用し、エネルギーコストの節減も図っていく。

※日刊自動車新聞2022年(令和4年)3月5日号より