メカニックとしての技術と経験はもちろんのこと、後輩の指導にも熱心な頼れる存在だ。念願のトヨタ技術検定1級にも合格し、これからの活躍がさらに期待される一人だ。
もともと技術系の仕事に興味があった。入社して最初の配属先は同社でも有数の大型店舗。最初は仕事の量と速さに追いつけなかった。だが、上司や先輩はいつも優しく接してくれた。「期待されていると強く感じました。それに応えるだけの実力をつけたいと真剣に思いました」。この時の「学びたい」と感じた気持ちが渡邊さんを大きく変えた。
昨年暮れにトヨタ検定1級を取得した。5回目の挑戦でようやく手にした資格だ。時間はかかったが「簡単に取れていたら合格できない悔しさを後輩に伝えられなかった。いい経験をしたと思います」と振り返る。
メカニックとしての仕事ぶりは、いまがまさに脂がのった状態だ。仕事場では主任として上司と部下のパイプ役を買って出る。自身が「後輩に教えるのが好き」と話すように、部下に対する面倒見もいい。働きやすい雰囲気を作るためのコミュニケーションにも普段から気を配る。
これからのメカニックとして「難しい新技術に対応するための勉強は欠かせません」と話す。「これまでは1級の取得が一番の目標でした。いまは次に向けた新たなスタートラインに付いたと思っています。もう一度、自分を見つめ直し、研鑽していこうと考えています」と、先を見据えた努力を惜しむ様子はない。