そが店は今年2月に移転新築したばかりの最新拠点。平野さんは千葉マツダでも有数の大型店でサービススタッフのリーダーを務める。メカニックとしての技術レベルはもちろん、接客評価も社内トップのエース的な存在だ。
同社はメカニックが接客するマルチエンジニア制度を導入している。入社から7年目を迎えた昨年、チーフエンジニアに選ばれた平野さん。会社の新たな取り組みを現場に浸透させるべく、自らが先頭に立ってお客さま対応にあたってきた。
最初は手探りで始まった取り組みだが、成果はすぐに表れた。作業終了後のお客さまアンケートに、スタッフの対応を褒める言葉が増えた。推進役として率先して対応した平野さんへの接客評価はとくに高く、その数は全社のトップに躍り出た。
この結果を平野さんは「そが店全体のベクトルがお客さまを向いていることの評価だと思います」と客観視する。マルチエンジニアの取り組みに初めは戸惑いを見せた後輩たちも、いまは積極的に動くようになった。「アドバイスやロープレの効果が出ているのは確かです。でも一番大きいのは、なぜやるかの意義が共有されたことだと思います」と分析する。
平野さんはメカニックの仕事を「つなげる仕事」と表現する。早くても6カ月後、長ければ次の車検まで、お客さまをつなぎ止めるのはサービスの役目だと考えている。こうした自覚の高さが、今後の成長を支えていくのは間違いないだろう。