経済産業省は、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)に関連する技術が社会実装フェーズに入りつつあることを踏まえた、新たな自動車政策の方向性を示した。MaaS(サービスとしてのモビリティ)の地方での導入を想定した「モビリティサービスモデル」の具体化や、脱炭素化に向けたロードマップ(工程表)の策定に取り組む。また、V2X(車車間・路車間通信)などの機能の実装も加速する。自動車メーカー幹部が参加する検討会で議論することによって、官民が一体となった政策の立ち上げを目指す。
過疎化が進む地方でのモビリティの新しいあり方を検討する。MaaSにおける実証実験後の事業化を見据え、効率的な運営スキームの確立を進める。また、各地域の特性に応じたサービスモデルを導入できるよう、Maasに特化した人材「MaaSコーディネーター」の育成や地域内外で人材エコシステムを構築する。
高速道路における自動運転の具体的な社会実装を見据えたインフラ整備も進める。自動運転「レベル2(高度な運転支援)」や「レベル3(限定地域での条件付き自動運転)」の普及拡大に加え、V2Xなどの通信機能の実装に取り組む。
脱炭素化に向けた自動車領域のロードマップも策定する。合わせて保有車両における電動車の割合を高めるため、買い替えインセンティブの向上も検討する。
経産省が25日に開催した「モビリティの構造変化と2030年以降に向けた自動車政策の方向性に関する検討会」の第4回会合で示した。5回目以降の会合で詳細を詰める。同検討会には、日産自動車の坂本秀行副社長やホンダの大津啓司常務、トヨタ自動車の山本圭司執行役員らが委員に名を連ねている。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)4月26日号より