国土交通省は、自動車のリコール情報や不具合情報などを収集・提供するウェブサイト「自動車のリコール・不具合情報」(通称=連ラクダ)を刷新する。掲載情報をより分かりやすく表示し、検索性を高めるなど利便性の向上を図の高度化に伴い、不具合や故障の数が増えてユーザーにとっては車両状態の把握が難しくなっている。さらに新機能に起因する不具合・故障情報の通報と、それに伴うリコールなどの届け出の増加も今後予想される。ユーザーの安全確保に向けた情報提供の強化と、収集・分析した不具合、故障データのさらなる利活用につなげる。
連ラクダでは「自動車不具合情報ホットライン」を通じて、ユーザーからの不具合情報の収集・公開を行っている。また、メーカーから報告があったリコール情報や事故・火災情報なども掲載している。国交省によると、ユーザーからの不具合情報の提供件数は年間で数千件に上るという。
刷新内容については、掲載データの整理方法の見直しやリコール情報、不具合情報などの検索性の向上などを検討する。不具合・故障情報の説明などもより分かりやすくする。このほか、自動運転技術搭載車や電動車の適切な使用方法などの啓発動画を官民で連携して作成していく考えだ。順次、詳細を詰めて改善を図っていく。
関連団体・業界からは、自動車技術の進展に伴い、特に警告灯・表示灯が点灯した際、ユーザー自身が車両に何が起きているのか分かりづらくなってきているとの指摘されている。今後、不具合・故障の発生時、車両に乗車し続けて良いか否か判断できるように、ユーザーへの不具合・故障内容に関する説明や情報の提供が一層重要になるという。
収集する不具合・故障データの新たな利活用の検討も関連団体・業界と連携して進める。例えば、不具合・故障データの分析・検証結果を整備マニュアルや安全作業マニュアルに反映して情報の充実化を図る。
車載式故障診断装置(OBD)の普及に伴い、今後は使用過程車に記録された故障データのさらなる活用が見込まれる。連ラクダの刷新を機に、リコールの着実な推進を図るという本来の目的に加えて、電動車や自動運転技術搭載車の普及を見据えたデータ利活用策の実現にもつなげたい考えだ。
※日刊自動車新聞2022年(令和4年)4月27日号より